ケロイド・肥厚性瘢痕——傷跡が赤く盛り上がる・かゆい原因と治療(ステロイドテープ・注射・トラニラスト)を名古屋みなとクリニック(名古屋市港区・皮膚科)が詳しく解説

ケロイド・肥厚性瘢痕——傷跡が赤く盛り上がる・かゆい原因と治療(ステロイドテープ・注射・トラニラスト)を名古屋みなとクリニック(名古屋市港区・皮膚科)が詳しく解説

「手術の傷跡が赤く盛り上がってきてかゆい・痛い」「ニキビ痕がケロイドになって広がっている」「耳のピアス穴がケロイドになった」「帝王切開・虫垂炎・腹腔鏡手術の傷がひきつれてきた」「ケロイド体質と言われたが何科に行けばいいかわからない」——ケロイドと肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は、傷が治る過程でコラーゲン(線維組織)が過剰に産生されることで、傷跡が赤く盛り上がり・かゆみ・痛みを伴う状態です。<cite index=”12-1″>手術や外傷、熱傷後の傷が赤く盛り上がった状態となったものは、ケロイドもしくは肥厚性瘢痕と呼ばれます。もとの傷の範囲を超えて拡大する場合にケロイドと診断されますが、肥厚性瘢痕との区別は明確ではありません。ケロイドは、前胸部・肩・上腕部、恥骨部、耳介部などに生じやすく、一般的に難治性とされています。</cite><cite index=”15-1″>日本皮膚科学会の「ケロイド・肥厚性瘢痕の診療ガイドライン」では、ステロイド局所注射を第一選択肢として推奨しています。</cite>名古屋市港区の皮膚科・名古屋みなとクリニックが、ケロイドと肥厚性瘢痕の違い・原因・ステロイドテープ・注射・トラニラスト・冷凍療法・予防まで、わかりやすく詳しく解説します。


目次

  1. ケロイドと肥厚性瘢痕——何が違うのか
  2. ケロイドの好発部位——前胸部・肩・耳介・下腹部
  3. ケロイド体質——なぜ同じ傷でも人によって違うのか
  4. ケロイドが起きやすいシチュエーション
  5. ケロイドの症状——赤み・盛り上がり・かゆみ・痛み
  6. ケロイドの診断——皮膚科・形成外科での評価
  7. 治療の目標——「消す」ではなく「コントロール」
  8. 【治療①】ステロイドテープ(ドレニゾンテープ®)——最も基本的な外用治療
  9. 【治療②】ステロイド局所注射——効果が高い第一選択
  10. 【治療③】トラニラスト(リザベン®)内服——唯一保険適用の内服薬
  11. 【治療④】シリコーンゲルシート・圧迫療法
  12. 【治療⑤】冷凍療法(液体窒素)
  13. 【治療⑥】5-FU局所注射・レーザー治療
  14. 【治療⑦】外科的切除+術後治療——再発予防が必須
  15. ケロイドの予防——傷をつくらないこと・早期介入
  16. よくある質問(FAQ)
  17. 名古屋みなとクリニックでの診療について

1. ケロイドと肥厚性瘢痕——何が違うのか

傷が治る過程でコラーゲンが過剰産生されると、傷跡が赤く盛り上がった「瘢痕(はんこん)」が形成されます。これが肥厚性瘢痕とケロイドの共通の出発点ですが、2つは異なる疾患です。

比較肥厚性瘢痕ケロイド
広がり方元の傷の範囲内に留まる元の傷の範囲を超えて拡大
時間経過数か月〜数年で自然に改善することがある自然軽快は少なく・進行することが多い
好発部位傷跡全般前胸部・肩・耳介・下腹部等の特定部位
体質依存体質の影響は少ないケロイド体質が大きく影響
かゆみ・痛み軽度〜中等度強いことが多い
再発治療後の再発は少ない治療後も再発しやすい

2. ケロイドの好発部位——前胸部・肩・耳介・下腹部

<cite index=”12-1″>ケロイドは、前胸部・肩・上腕部、恥骨部、耳介部などに生じやすく、一般的に難治性とされています。</cite>

ケロイドが生じやすい部位:

  • 前胸部(最多): 手術(心臓・甲状腺・乳腺等)・にきび痕
  • 肩・上腕: 予防接種(BCGワクチン等)・外傷
  • 耳介: ピアス・耳手術後
  • 下腹部・会陰部: 帝王切開・虫垂炎手術・腹腔鏡手術
  • 顔面(あご・頬): にきび痕

<cite index=”12-1″>近年では、腹腔鏡手術・ロボット手術の創がケロイド化する患者さんが増加しています。</cite>

逆に、手の甲・顔面中央・頭皮にはケロイドはほとんど生じないという特徴があります(解剖学的な皮膚の張力・血流の違いが関与)。


3. ケロイド体質——なぜ同じ傷でも人によって違うのか

<cite index=”16-1″>ケロイドの発症には「ケロイド体質」が大きく、遺伝することもあり、その原因などは様々です。</cite>

ケロイド体質の特徴

  • 家族にケロイドができやすい方がいる(遺伝的素因)
  • 日本人・アジア系・アフリカ系に多い(欧米白人は比較的少ない)
  • 若い年齢(10〜30代)に多い(年齢とともにケロイドができにくくなる)
  • 傷の治りが遅い体質・皮膚が張りやすい部位に多い

なぜケロイドができるのか(メカニズム)

通常の傷の治癒では、線維芽細胞がコラーゲンを産生して傷を修復した後、余分なコラーゲンが分解されてバランスが保たれます。ケロイドでは、TGF-β(トランスフォーミング増殖因子β)等のサイトカインが過剰に産生され、線維芽細胞のコラーゲン産生が制御されず異常増殖が続きます。


4. ケロイドが起きやすいシチュエーション

  • 手術後: 開腹手術・帝王切開・腹腔鏡手術・乳腺手術・甲状腺手術等
  • にきび(ざ瘡): 炎症性ニキビの痕がケロイド化
  • ピアス: 耳たぶ・軟骨ピアス後
  • 予防接種・採血: 特にBCGワクチン(左肩)
  • 熱傷(やけど): 深い熱傷後
  • 外傷・裂傷: 切り傷・擦り傷が深い場合
  • 虫刺され・水痘(水ぼうそう)の搔破: 搔いた後にケロイド化

5. ケロイドの症状——赤み・盛り上がり・かゆみ・痛み

外観

  • 皮膚が赤〜ピンク色に変色している
  • 傷跡の部位が隆起・盛り上がっている(硬い)
  • 表面はつるつるしていることが多い
  • 元の傷の範囲を超えてカニのはさみ状に広がる(ケロイドの特徴)

自覚症状

  • かゆみ: 特に活動期(拡大中)は強いかゆみ
  • 痛み・ひきつれ感: 皮膚が引っ張られるような感覚
  • 熱感: 活動期には温かく感じる
  • 衣服との摩擦で症状が悪化する

6. ケロイドの診断——皮膚科・形成外科での評価

ケロイドの診断は視診・触診が基本です。

ケロイドを示唆する所見:

  • 元の傷の境界を超えた拡大
  • 前胸部・肩・耳介等の好発部位
  • 強いかゆみ・痛みを伴う
  • ケロイド体質の家族歴

鑑別疾患:

  • 皮膚線維腫(dermatofibroma): 境界がより明確、硬い結節、好発は下腿
  • 隆起性皮膚線維肉腫(DFSP): 悪性・ゆっくり拡大→生検で確認
  • 基底細胞癌: 潰瘍形成あり、出血傾向

不典型例や急速増大する場合は皮膚生検で確定診断することがあります。


7. 治療の目標——「消す」ではなく「コントロール」

<cite index=”17-1″>ケロイドや肥厚性瘢痕の治療目標は、①赤みやかゆみを軽減すること、②盛り上がりを平らにすることです。ケロイドや肥厚性瘢痕を完全に消すことはできません。</cite>

現実的な治療目標:

  • かゆみ・痛みの軽減(QOLの改善)
  • 赤みの改善
  • 盛り上がりを平坦化・軟化
  • これ以上の拡大を防ぐ(コントロール)

8. 【治療①】ステロイドテープ(ドレニゾンテープ®)——最も基本的な外用治療

ステロイド含有テープをケロイド部位に貼る治療法です。

<cite index=”13-1″>ステロイドには抗炎症効果がありますので、皮膚線維細胞の増殖を抑え、赤みやかゆみに効果が認められます。ステロイド含有テープは瘢痕を超えて貼ると正常部分の皮膚に赤みを生じ、赤みがなかなか取れないことがありますのでテープは瘢痕内に張るようにしていただいています。</cite>

特徴:

  • 軽症〜中等症のケロイド・肥厚性瘢痕に使用
  • 毎日自己で貼り替えできる
  • 副作用:皮膚萎縮・毛細血管拡張(長期使用)

9. 【治療②】ステロイド局所注射——効果が高い第一選択

<cite index=”13-1″>副腎皮質ホルモン、いわゆるステロイドをケロイドの中へ注射します。塗り薬やテープのステロイド治療に比べて直接注射するため効果が高いです。しかし、注射の痛みが伴うことと、月に一度の治療を継続する必要があります。また、薬が効きすぎると皮膚がへこんでしまうことがあります。</cite>

<cite index=”15-1″>ステロイド局所注射は、エビデンス水準の高い治療法として日本皮膚科学会ガイドラインで第一選択肢として推奨されています。</cite>

特徴:

  • 月1回の注射(改善するまで継続)
  • 注射時の痛みが強い(ケロイド組織は硬く注射しにくい)
  • 副作用:皮膚陥凹(注射量が多い場合)・毛細血管拡張・月経不順(まれ)

10. 【治療③】トラニラスト(リザベン®)内服——唯一保険適用の内服薬

<cite index=”13-1″>トラニラストという内服薬が、現在唯一国内で保険適応があり処方されている肥厚性瘢痕、ケロイドに対する治療薬です。トラニラストは抗アレルギー薬でもあり、反応性に増える皮膚線維細胞の増殖を抑える効果があるとともに、傷の赤みやかゆみなどを軽減させる効果があります。</cite>

特徴:

  • 内服薬(外用・注射との併用が多い)
  • 副作用:膀胱刺激症状(頻尿・排尿痛)・まれに肝機能障害
  • 長期内服(6か月〜1年以上)が必要

11. 【治療④】シリコーンゲルシート・圧迫療法

<cite index=”13-1″>傷をシリコンシートなどで圧迫することでケロイドの血流を低下させ、皮膚線維細胞の増殖を抑えると言われています。また圧迫することで服や体の動きで傷がすれないため傷に対する刺激を軽減することができます。</cite>

シリコーンゲルシートの特徴:

  • 副作用がほとんどなく安全
  • 予防・軽症ケロイドに有効
  • 長期間(3〜6か月以上)の使用が必要
  • 市販品(キズパワーパッド等)でも一定の効果

12. 【治療⑤】冷凍療法(液体窒素)

<cite index=”15-1″>冷凍療法(冷凍凝固術):液体窒素による瘢痕組織の凍結・融解を繰り返すことで、瘢痕組織のコラーゲン線維を破壊し、硬さ・盛り上がりを改善させます。</cite>

特徴:

  • 硬い・分厚いケロイドへの機械的な破壊
  • ステロイド注射との組み合わせで効果が高まる
  • 副作用:疼痛・水疱・色素脱失(色が白くなる)
  • 色素沈着が強いケロイドに注意

13. 【治療⑥】5-FU局所注射・レーザー治療

<cite index=”15-1″>5-FU局所注射や各種レーザー治療の併用などが、ステロイド注射のセカンドラインとして挙げられています。</cite>

5-FU(フルオロウラシル)局所注射: 抗がん薬を少量ケロイド内に注射して線維芽細胞の増殖を抑える。ステロイド注射と組み合わせて使用されることがあります。

PDL(パルスダイレーザー): 血管を標的とし、ケロイドの赤みと血流を減少させます。

フラクショナルレーザー: 瘢痕組織のリモデリングを促進。


14. 【治療⑦】外科的切除+術後治療——再発予防が必須

<cite index=”12-1″>ケロイドや肥厚性瘢痕には、保存的治療法と外科的な治療法があります。いずれの治療法も臨床的には効果が認められることが多いのですが、現状では保存的治療法のみでケロイドを完治させられることは稀です。</cite>

外科的切除の注意点:

  • ケロイドのみを手術で切除しても、高確率で再発・悪化します
  • 切除後に必ず術後ステロイド注射・放射線照射・圧迫療法等の追加治療が必要です

術後放射線照射: 切除後に放射線を照射することで再発を予防します。ただし若年者・妊娠可能年齢の女性の前胸部等では将来的な発がんリスクへの配慮が必要です。


15. ケロイドの予防——傷をつくらないこと・早期介入

ケロイド体質の方が意識すべき予防:

予防①:傷をつくらない

  • ピアスは耳たぶのみ(軟骨ピアスはケロイドになりやすい)
  • 不必要な美容処置・刺青を避ける
  • 虫刺されを搔かない

予防②:傷ができたら早期に対処

  • 傷が完全に閉じたら(2〜3週間後)すぐにシリコーンゲルシートを開始
  • 手術が決まったら事前に皮膚科に相談

予防③:手術前に主治医に伝える

  • 「ケロイド体質がある」ことを手術前に必ず外科医に伝える
  • 傷の方向・縫合方法を工夫してもらえる場合があります

16. よくある質問(FAQ)

Q. ケロイドと肥厚性瘢痕は何科に行けばいいですか?

A. 皮膚科または形成外科を受診してください。当院(名古屋みなとクリニック・皮膚科)では診断・ステロイドテープ・トラニラスト処方・ステロイド局所注射・冷凍療法に対応しています。手術・放射線治療が必要な重症ケロイドは専門病院へご紹介します。

Q. 帝王切開の傷がひきつれてきました。いつから治療を始めるべきですか?

A. 傷が完全に閉じた後(術後2〜4週間)からシリコーンゲルシートを開始し、赤みや盛り上がりが出始めたら皮膚科を受診することをお勧めします。早期介入ほど治療効果が高くなります。

Q. ニキビ痕のケロイドに市販薬は効きますか?

A. 軽症のうちはシリコーンゲルシートがある程度有効です。ただし前胸部・肩等のケロイドは進行しやすいため、早めに皮膚科を受診してステロイドテープ・注射を組み合わせることをお勧めします。


17. 名古屋みなとクリニックでの診療について

名古屋市港区にある**名古屋みなとクリニック(皮膚科・美容皮膚科・内科・児童精神科・精神科)**では、ケロイド・肥厚性瘢痕の診断・保存的治療に対応しています。

当院で対応できる主な内容

  • ケロイド・肥厚性瘢痕の診断・重症度評価
  • ステロイドテープ(ドレニゾンテープ)の処方
  • ステロイド局所注射(ケナコルト等)
  • トラニラスト(リザベン)内服薬の処方
  • シリコーンゲルシートの指導・処方
  • 冷凍療法(液体窒素)
  • 外科的切除・放射線治療が必要な重症ケロイドの専門病院への紹介

こんな方はぜひご相談ください

  • 手術後・帝王切開後の傷が赤く盛り上がってきた
  • ニキビ痕・ピアス穴のケロイドが広がっている
  • ケロイドのかゆみ・痛みが日常生活に影響している
  • ケロイド体質があって今後手術を控えている
  • 何年も治療しているがなかなか改善しない

「ケロイドは早期治療・複数の治療法の組み合わせが最も重要です。『もう治らない』と諦める前にまずご相談ください。」


名古屋みなとクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・児童精神科・精神科 〒455-0068 名古屋市港区土古町4-20 SLR港北 TEL:052-387-8083

HP:https://nagoya-minato-clinic.com/ Instagram:https://www.instagram.com/nagoya.minato.clinic

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名古屋みなとクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・児童精神科・精神科

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【TEL】052-387-8083 【診療時間】10:30~13:30、14:30~18:30 【休診日】月・木・土

【アクセス】あおなみ線「港北駅」徒歩約8分

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