更年期障害で薄毛・抜け毛は増える？

プラセンタで改善できるのか
――名古屋市港区・皮膚科／美容皮膚科 名古屋みなとクリニックより――

40～50代の女性に増えてくるお悩みの一つが、
**「髪が細くなった」「トップのボリュームが減った」「抜け毛が増えた」**といった変化です。

「更年期に入ってから髪の元気がなくなった気がする」
「シャンプーのときの抜け毛が急に増えた」

このようなご相談は非常によくいただきます。
今回は、なぜ更年期で薄毛が起きやすいのか、プラセンタ療法がどこまで効果が期待できるのかを分かりやすく解説します。

1. なぜ更年期で薄毛・抜け毛が増えるのか？

更年期（主に45～55歳）では、女性ホルモン、とくに**エストロゲン（卵胞ホルモン）**が急激に減少します。

この“エストロゲン低下”が、髪のボリュームダウンにつながる大きな理由です。

① エストロゲンには「髪を育てる力」がある

エストロゲンは、

髪の成長期を延ばす

頭皮の血流を良くする

毛根細胞の活動を活発にする

といった働きがあり、女性の髪のハリ・コシ・ツヤを支えています。

更年期になると、このエストロゲンが減少し、
毛周期（髪の生え変わりサイクル）が乱れ、成長期が短くなる → 抜け毛が増える
という変化が起こります。

② ストレス・睡眠不足が重なるとさらに悪化

更年期はホルモンに加えて、

のぼせ

動悸

不眠

気分の落ち込み

などの身体・心理的ストレスが増えやすい時期です。

ストレスや睡眠不足は自律神経を乱し、頭皮の血行をさらに悪くします。
これも 薄毛を加速させる要因 になります。

③ 年齢による頭皮環境の変化

40代以降は頭皮の皮脂量・保湿力が低下し、乾燥しやすくなります。
乾燥した頭皮は炎症が起きやすく、毛根のダメージにつながるため、抜け毛が増えやすくなります。

2. 更年期の薄毛は「FAGA（女性型脱毛症）」が多い

更年期以降の女性に多いのが、
**FAGA（女性型脱毛症：Female Androgenetic Alopecia）**です。

特徴は以下の通りです。

頭頂部のボリュームが減る

分け目が広がる

髪が細くなる

全体的に“スカスカ”して見える

男性のAGAとは違い、生え際が大きく後退することは少ないのが特徴です。

更年期によるホルモン変化とFAGAは非常に関係が深く、
「更年期に入ったとたんボリュームが急に減った」という方は、FAGAを疑います。

3. プラセンタ療法で改善は期待できる？

結論：
プラセンタは更年期の薄毛に対して、“総合的に髪を育てる土台づくり”として有効性が期待できる治療です。

ただし、プラセンタ単独で劇的に生やすわけではないため、「髪を強くするアシスト治療」として捉えると理解しやすいです。

プラセンタの働きと、薄毛へのメリット
① ホルモンバランスの安定化

プラセンタには女性ホルモン風の作用があり、
ゆらぎやすい更年期のホルモンバランスを整える働きが期待できます。

▶ 更年期症状が整う
▶ 自律神経が安定する
▶ ストレスが減る
→ 抜け毛の悪化を防ぎやすくなる

② 頭皮の血行改善

プラセンタは血行を促進し、頭皮の毛乳頭細胞へ栄養を届けやすくします。

▶ 頭皮の血流UP
→ 新しい髪が育ちやすい状態に近づく

③ 抗炎症作用

頭皮の軽い炎症や乾燥を抑え、健やかな頭皮環境をつくります。
更年期は頭皮が乾燥しやすく、これが薄毛悪化につながるため、とても大事なポイント。

④ 細胞活性化作用

毛母細胞（髪を生み出す細胞）の代謝を助け、髪の成長を後押しします。

4. プラセンタはどんな薄毛に向いている？

プラセンタは特に以下のようなケースで効果が出やすい傾向があります。

更年期以降の抜け毛・細毛

分け目の広がり

頭皮の乾燥によるボリューム低下

自律神経の乱れに伴う脱毛

ハリ・ツヤがなくなった髪の改善

「昔より髪が細くなった」「抜け毛が急に増えた」という方は、
プラセンタによる“体調と頭皮の立て直し”が有効なケースが多いです。

5. プラセンタ治療の種類と頻度

一般的に以下のような方法があります。

● プラセンタ注射（ラエンネック）

最もポピュラーで、全身への効果が出やすい方法です。

週1～2回の注射を継続

1～2か月ほどで「抜け毛が減ってきた」と感じることが多い

● 内服・サプリメント

注射ほど強くありませんが、自宅で続けやすいメリットがあります。

● 頭皮ケアとの併用がより効果的

プラセンタは「土台を整える治療」のため、

ミノキシジル

頭皮マッサージ

頭皮美容液

生活習慣の改善

などと組み合わせると、より効果が出やすくなります。

6. どんなときに受診すべき？

以下のような場合は、早めの受診がおすすめです。

3か月以上抜け毛が続いている

分け目が気になる

写真を見返すとトップのボリュームが減っている

更年期症状（のぼせ・不眠・イライラ）がある

市販シャンプーや育毛剤を使っても変化がない

早期に治療を始めるほど、改善の可能性が高くなります。

7. まとめ

更年期で女性ホルモンが低下すると、抜け毛・細毛が進みやすい

FAGA（女性型脱毛症）は更年期以降に特に増える

プラセンタはホルモンバランス調整・血行促進・抗炎症作用などから、
薄毛の改善・抜け毛予防に役立つ治療

単独で劇的に生やす治療ではないが、
“髪が育つ土台を整える”点で非常に相性が良い

ミノキシジルなどと併用するとより効果が高まる

名古屋みなとクリニックでは、
更年期の薄毛・抜け毛のお悩みに対し、症状に合わせたオーダーメイド治療をご提案しています。