ADHDの治療で、学習効率は上がるのか——「成績が上がる薬」ではありません。改善すること・しないことを名古屋みなとクリニック(名古屋市港区・児童精神科)が詳しく解説

ADHDの治療で、学習効率は上がるのか——「成績が上がる薬」ではありません。改善すること・しないことを名古屋みなとクリニック(名古屋市港区・児童精神科)が詳しく解説

「薬を飲めば、勉強できるようになりますか」「成績が上がるなら、試してみたい」「でも、薬で勉強させることに抵抗がある」「うちの子は頭が悪いわけではないのに、成果が出ない」「宿題に3時間かかる。毎晩けんかになる」「授業中、話を聞いていないと言われる」——ADHDのお子さまの学習について、保護者の方から最も多くいただくご質問です。

そして、この問いには、正直にお答えする必要があります。

結論から申し上げます。

「学習に取り組める状態」は、改善が期待できます。

しかし、「学力そのもの」が薬だけで上がるわけではありません。

この2つは、まったく別のことです。

薬は、集中を保つ、席に座っていられる、最後まで課題を終える、ミスを減らす——こうした「土台」に働きかけます。

しかし、すでに積み残した内容を教えてくれるわけでも、学び方を身につけさせてくれるわけでもありません。

そして、「賢くなる薬」でもありません。

名古屋市港区の名古屋みなとクリニックが、ADHDの治療で何が変わり、何が変わらないのか、そして本当に学習の成果につなげるために必要なことを、詳しく解説します。


目次

  1. よくある2つの誤解
  2. ADHDが学習に与える影響【比較表】
  3. 【最重要】薬で改善しやすいこと・しにくいこと【比較表】
  4. 「学習効率」と「学力」は違います
  5. 研究から分かっていること——正直にお伝えします
  6. なぜ、薬だけでは学力が上がらないのか
  7. 【重要】積み残しは、埋まりません
  8. 【重要】併存する限局性学習症(LD)
  9. 【最重要】最大の効果は「叱られなくなること」かもしれません
  10. 自己肯定感と、学習意欲の関係
  11. 日本で使えるADHD治療薬【比較表】
  12. 【重要】服用時間の設計——宿題の時間はカバーされるか
  13. 効果の判定——何をもって「効いた」とするか
  14. 【重要】学校からの情報が不可欠です
  15. 副作用と、学習への影響【比較表】
  16. 【最重要】「賢くなる薬」ではありません
  17. 薬を使わないという選択
  18. 学習支援・環境調整【比較表】
  19. 学校との連携
  20. 本人への説明
  21. よくある心配事Q&A
  22. 名古屋みなとクリニックでの診療について

1. よくある2つの誤解

この問題では、正反対の2つの誤解があります。

誤解①「薬を飲めば成績が上がる」

この期待を持って受診される方がいらっしゃいます。

しかし、薬は学習内容を教えてくれるものではありません。

過度な期待は、「効かなかった」という失望につながります。

誤解②「薬で勉強させるなんて」

逆に、強い抵抗を持たれる方もいらっしゃいます。

「薬漬けにしたくない」「本人の力で頑張らせたい」

このお気持ちも、自然なものです。

どちらも、正確ではありません

現実は、その中間にあります。

薬は、「学習に向かえる状態」をつくります。

そして、その状態を活かすかどうかは、周囲の支援にかかっています。

この記事では、その線引きをはっきりさせます。


2. ADHDが学習に与える影響【比較表】

まず、何が起きているのかを整理します。

特性学習場面での現れ方
不注意話を最後まで聞けない、板書を写し漏らす、ケアレスミス、問題を読み飛ばす
集中の持続困難5分で他のことを始める、宿題が終わらない
多動座っていられない、そわそわする
衝動性早とちり、確認せずに答える、順番を待てない
実行機能の困難段取りが立てられない、優先順位がつけられない、時間の見積もりができない
ワーキングメモリー指示を覚えていられない、計算の途中で忘れる
忘れ物・なくし物教科書、宿題、提出物
切り替えの困難始められない、やめられない

「能力がない」のではありません

理解する力はあるのに、

その力を発揮するための「土台」がうまく働いていない

——これがADHDの学習面での困難です。

宿題に3時間かかる理由

内容が難しいからではないことが多くあります。

  • 始めるまでに時間がかかる
  • 途中で他のことに気が向く
  • 何度も注意される
  • けんかになる
  • やり直しになる

実際に手を動かしている時間は、30分に満たないこともあります。


3. 【最重要】薬で改善しやすいこと・しにくいこと【比較表】

この章が、この記事の核心です。

項目薬による改善
授業中、席に座っていられる期待できます
話を聞き続けられる期待できます
課題に取り組み始められる期待できます
最後まで終わらせられる期待できます
ケアレスミスが減る期待できます
忘れ物が減るある程度期待できます
板書を写せる量ある程度期待できます
すでに分かっていない内容改善しません
読み書きそのものの困難(LD)改善しません
勉強のやり方・学習方略身につきません
学習意欲間接的に改善することはあります
知的能力そのもの変わりません

「取り組める」と「できるようになる」は別です

薬によって、

「机に向かい、40分間、課題に取り組める」ようになったとします。

しかし、その40分で解く問題が「そもそも分からない」なら、成果は出ません。

だから、組み合わせが必要です

薬で「取り組める状態」をつくり、

そこに「適切な内容の学習」を用意する。

この両方が揃って、初めて成果になります。


4. 「学習効率」と「学力」は違います

用語を整理します。

学習効率(改善しやすい)

  • 同じ時間で、こなせる量
  • 課題の完遂率
  • ミスの少なさ
  • 集中を保てる時間
  • 取りかかりの速さ

これらは、薬によって明確に改善することが多くあります。

学力・学業成績(改善しにくい)

  • テストの点数
  • 通知表の評定
  • 学年相応の内容の習得
  • 受験の結果

これらは、薬だけでは上がりにくいのが実情です。

なぜズレが生じるのか

効率が上がっても、

  • 積み残しが多ければ、追いつけない
  • 勉強のやり方を知らなければ、時間を使えない
  • LDがあれば、そもそも読み書きが壁になる
  • 意欲が失われていれば、机に向かわない

——これらが残るからです。


5. 研究から分かっていること——正直にお伝えします

この点は、公平にお伝えする必要があります。

中核症状への効果は、明確です

不注意、多動性、衝動性——これらに対する薬物療法の効果は、多くの研究で確認されています。

これは、確立した知見です。

学業への効果は、より限定的です

一方、

「テストの点数」「学業成績」といった指標への効果については、

中核症状ほど大きくはないという報告が多くみられます。

短期的な「学習行動」には効果があります

課題に取り組んでいる時間、完遂した課題の量、正答率——

こうした「教室での行動」レベルでは、改善が確認されています。

しかし、長期的な学力への影響は

「薬を長く飲んでいれば、学力が上がる」という単純な関係は、示されていません。

この差が意味すること

薬は「学ぶための条件」を整えますが、「学ぶこと」そのものは代替しません。

だからこそ、支援と組み合わせる必要があるのです。


6. なぜ、薬だけでは学力が上がらないのか

理由は、大きく4つあります。

① 積み残しがある

これまで理解できていなかった内容は、薬を飲んでも自動的には埋まりません。(第7章)

② 学習方略を知らない

「どう勉強すればよいか」を知らないまま、集中できるようになっても、

何をすればいいか分からないままです。

  • ノートの取り方
  • 復習のタイミング
  • 分からないときの対処
  • 計画の立て方

これらは、教えられて身につくものです。

③ 併存する困難がある

限局性学習症(LD)、発達性協調運動症(DCD)——

これらがあれば、ADHDの治療では改善しません。(第8章)

④ 意欲が失われている

長年、失敗と叱責を重ねてきたお子さまは、

「どうせやっても無駄」という感覚を持っています。

集中できるようになっても、机に向かわなければ意味がありません。(第9〜10章)


7. 【重要】積み残しは、埋まりません

特にお伝えしたい点です。

学習は、積み上げです

算数であれば、

繰り上がり → かけ算 → わり算 → 分数 → 割合

——と積み上がっていきます。

どこかが抜けていると、その先は理解できません

ADHDのお子さまは、

  • 授業中に聞き逃した
  • ノートが取れていなかった
  • 宿題が身についていなかった

——という理由で、抜けが生じやすいのです。

薬は「今の授業」に集中させます

しかし、「3年前に抜けた内容」は教えてくれません。

だから、戻る学習が必要になることがあります

「学年の内容についていけない」場合、

どこまで戻る必要があるかを確認することが有効です。

これは、薬ではなく、学習支援の領域です。

「薬を飲んでいるのに成績が上がらない」——その原因が、ここにあることは少なくありません。


8. 【重要】併存する限局性学習症(LD)

見落としてはいけない点です。

高い頻度で併存します

ADHDと限局性学習症は、しばしば併存します。

ADHDの治療では改善しません

LDは、

  • 読むこと
  • 書くこと
  • 計算すること

——といった特定の領域の困難であり、注意の問題とは別のものです。

だから、こうなります

薬で集中できるようになった。

席にも座っていられる。

それでも、

  • 教科書が読めない
  • 漢字が覚えられない
  • 板書が写せない

——これらは残ります。

「薬を飲んでいるのに、字がきれいにならない」

この場合、書字の困難(LDまたは発達性協調運動症)が背景にある可能性があります。

評価が必要です

「ADHDの治療をしているのに、学習面が変わらない」

——この場合、併存する困難の評価をおすすめします。

必要な支援が、まったく異なるからです。


9. 【最重要】最大の効果は「叱られなくなること」かもしれません

この章を、特にお読みください。

数字に表れにくい変化

薬物療法の効果を、テストの点数だけで測ると、見えなくなるものがあります。

実際に起きる変化

  • 授業中に注意される回数が減る
  • 忘れ物で叱られなくなる
  • 「またあなたなの」と言われなくなる
  • 宿題を巡って、家でけんかにならない
  • 先生から褒められる機会が生まれる
  • 友達とのトラブルが減る

これが、何をもたらすか

毎日、何度も叱られていた子が、叱られなくなる。

その意味は、非常に大きいのです。

  • 自己肯定感が回復する
  • 「自分にもできる」と思える
  • 学校が苦痛でなくなる
  • 保護者との関係が改善する

保護者の方の変化も大きい

「怒鳴らずに済むようになった」

——これは、ご家庭全体の空気を変えます。

そして、その空気の変化が、さらに子どもに良い影響を与えます。

成績より先に、これが起きます

多くの場合、

成績が上がるより先に、

「毎日が穏やかになる」という変化が訪れます。

この変化を、見逃さないでいただきたいと思います。


10. 自己肯定感と、学習意欲の関係

学習意欲は、成功体験から生まれます

「やってもできない」を繰り返した子は、努力そのものをやめます。

これは、自分を守るための、合理的な反応です。

「頑張れば、できた」という経験が必要です

薬によって集中できるようになり、

課題を最後まで終えられるようになり、

「できた」という経験を積む。

——この積み重ねが、意欲を取り戻します。

だから、課題の難易度が重要です

「取り組める状態」になったところに、

難しすぎる課題を出せば、また失敗体験になります。

「少し頑張ればできる」レベルの課題を用意することが、非常に重要です。

これは、薬ではなく、周囲が調整することです。


11. 日本で使えるADHD治療薬【比較表】

一般名分類効果発現持続特徴
メチルフェニデート徐放製剤中枢刺激薬服用当日約12時間効果が実感しやすい。流通管理あり
リスデキサンフェタミン中枢刺激薬服用当日約12〜14時間6〜17歳のみ。持続が長い。流通管理あり
アトモキセチン非刺激薬4〜8週間24時間依存性なし。じっくり効く
グアンファシン非刺激薬数週間24時間衝動性・感情面に有用。依存性なし

学習の観点からの違い

観点中枢刺激薬非刺激薬
効果の実感早い(当日)遅い(数週間)
効いている時間限定的(服用後〜約12時間)終日
夕方以降切れることがあるカバーされる
休薬可能原則しない

【重要】流通管理について

中枢刺激薬(メチルフェニデート徐放製剤、リスデキサンフェタミン)は、流通が厳格に管理されています。

登録された医療機関・医師・薬局でのみ、取り扱いが可能です。

当院はADHD適正流通管理システムの登録医師が在籍しており、これらの処方が可能です。

初回処方は対面診療が必要です。


12. 【重要】服用時間の設計——宿題の時間はカバーされるか

学習の観点から、非常に実用的な論点です。

中枢刺激薬は、効いている時間が決まっています

朝に服用した場合、

おおむね12時間前後で効果が薄れていきます。

つまり

朝7時に服用 → 19時頃には切れ始める

ここで問題が生じます

「学校では落ち着いているのに、家で宿題ができない」

——これは、薬が切れている時間帯に宿題をしているからかもしれません。

対策の考え方

方法内容
宿題の時間を前倒しする帰宅後すぐ、効いている時間帯に
服用時刻を調整する生活に合わせて(医師と相談)
持続時間の長い薬を選ぶ選択肢のひとつ
終日効くタイプを検討する非刺激薬

「学校の時間だけ」でよいのか

これは、ご家庭の状況によります。

  • 宿題が大きな負担になっている
  • 家庭内の衝突が激しい
  • 習い事や塾がある

——こうした場合、夕方以降のカバーを考える必要があります。

逆に、学校での困難が中心なら、日中だけで十分なこともあります。

生活全体を見て、設計します。


13. 効果の判定——何をもって「効いた」とするか

テストの点数だけで判断しないでください

成績は、多くの要因に左右されます。

そして、変化が現れるまでに時間がかかります。

見るべき指標

指標確認方法
授業中の様子担任からの情報
課題の完遂率提出物、宿題
取りかかりまでの時間家庭で観察
ケアレスミスの数テストの内容を見る(点数ではなく)
注意される回数学校、家庭
本人の疲労感「疲れる」と言っていないか
睡眠・食欲副作用の確認

記録をつけると分かりやすくなります

「効いた日・効かなかった日」を、簡単にでも記録していただくと、

用量や服用時刻の調整がしやすくなります。


14. 【重要】学校からの情報が不可欠です

診察室では、学校での様子は分かりません。

だから、学校の情報が必要です

  • 授業中、座っていられているか
  • 話を聞けているか
  • 課題を最後まで終えられているか
  • 注意される回数は減ったか
  • 友達との関係
  • 午後になると変わるか(薬の効果時間の確認)

連絡帳や、簡単なメモで構いません

「今日は落ち着いていました」だけでも、貴重な情報です。

学校に伝えることについて

「薬を飲んでいることを、学校に知られたくない」

——というお気持ちもあると思います。

伝えるかどうかは、保護者の方が決めることです。

ただし、伝えたほうが、効果の判定と調整はしやすくなります。

当院では、必要に応じて学校向けの文書を作成します。


15. 副作用と、学習への影響【比較表】

副作用が、かえって学習を妨げることがあります。

副作用学習への影響
食欲低下昼食が食べられない → 午後の集中力低下
不眠睡眠不足 → 日中の眠気、翌日の不調
頭痛集中の妨げ
イライラ・気分の落ち込み対人関係、意欲
ぼんやりする(効きすぎ)過鎮静。用量調整が必要
腹痛集中の妨げ
動悸

【重要】「静かになったが、元気がない」

これは、注意すべきサインです。

適切な用量であれば、

「落ち着いているが、表情も反応も自然」という状態になります。

ぼんやりしている、笑わなくなった、覇気がない——

この場合、用量が多すぎる可能性があります。

必ずご相談ください。

食欲低下への対応

昼食が食べられなければ、午後の学習に影響します。

  • 朝食をしっかり摂る
  • 薬が切れる夕方以降に、栄養を確保する
  • 高カロリーで食べやすいものを
  • 体重の変化を定期的に確認する

睡眠への影響

夜眠れなければ、翌日の集中力は落ちます。

服用時刻の調整で改善することがあります。


16. 【最重要】「賢くなる薬」ではありません

この点は、明確にお伝えします。

知的能力は変わりません

薬によって、頭が良くなるわけではありません。

もともと持っている力を、発揮しやすくするだけです。

ADHDのない方が使っても、意味はありません

「集中力が上がる薬」として、診断のない方が使用することは、

医学的にも、法的にも、認められません。

中枢刺激薬は、流通が厳格に管理されています。

過度な期待は、失望を生みます

「薬を飲んだのに、成績が上がらない」

——この失望は、お子さま本人を傷つけます。

「薬を飲んでもダメだった自分」

——そう感じさせてしまうことは、避けなければなりません。

だから、最初に目標を共有します

当院では、治療を始める前に、

「何が改善したら、効いていると考えるか」

——を、ご家族と話し合います。

現実的な目標設定が、治療を続けるうえで非常に重要です。


17. 薬を使わないという選択

薬物療法は、必須ではありません。

まず、環境調整から

軽度であれば、

  • 座席の配置
  • 指示の出し方の工夫
  • 課題の分割
  • 視覚的な支援

——これらで対応できることがあります。

保護者の関わり方

ペアレント・トレーニング的なアプローチも、有効です。

薬を検討する目安

  • 環境調整を行っても、困難が大きい
  • 学習に明らかな支障が出ている
  • 自己肯定感が下がってきている
  • 友人関係に影響している
  • 叱責が積み重なっている

「使わない」選択も尊重します

当院では、薬の使用を強くお勧めすることはありません。

メリットとデメリットをご説明し、ご家族とご本人の判断を尊重します。

そして、使わない場合の支援方法も、一緒に考えます。


18. 学習支援・環境調整【比較表】

薬と組み合わせるべき、具体的な支援です。

場面工夫
課題の量一度に出す量を減らす。分割する
時間の区切りタイマーを使う。「あと10分」と見えるように
環境机の上を片づける、視界に入る刺激を減らす
指示一度に一つ。具体的に。書いて示す
ノート・板書写真撮影、プリント配布
忘れ物チェックリスト、持ち物の定位置化
宿題薬が効いている時間帯に。量の調整を学校に相談
休憩短時間で区切る(15〜20分+休憩)
難易度「少し頑張ればできる」レベルに
得意分野伸ばす時間を確保する

「宿題を減らしてもらう」は、有効な手段です

毎晩、宿題を巡って3時間けんかしている——

この状態は、学習面でも、親子関係でも、良い結果を生みません。

学校に、量や内容の調整を相談してください。

必要であれば、診断書を作成します。


19. 学校との連携

依頼できる配慮

  • 座席の配置(前方、刺激の少ない場所)
  • 指示の出し方の工夫(個別に声をかける)
  • 課題の量・提出方法の調整
  • 板書の撮影許可、プリント配布
  • テスト時の時間延長、別室受験
  • 注意の仕方(人前で叱らない)
  • 良い行動への声かけ
  • クールダウンできる場所

「叱責を減らす」ことが最も重要です

ADHDのお子さまは、日常的に注意され続けています。

この回数を減らすことが、二次的な問題を防ぎます。

診断書・意見書

当院では、

心理検査の結果を踏まえた、具体的な配慮内容を記載した書類を作成しています。


20. 本人への説明

「頭が良くなる薬」と伝えないでください

誤った期待を持たせることになります。

伝え方の例

「集中しやすくなる薬だよ」 「話を聞き続けるのが、楽になる薬」 「頑張りたいときに、頑張りやすくなる薬」

「これを飲めばできる」ではなく

「これを飲むと、やりやすくなる。だから、一緒にやってみよう」

——この枠組みが適切です。

本人の実感を聞いてください

「飲んだ日は、どうだった?」

本人の言葉は、非常に重要な情報です。

  • 「話が入ってくる感じがする」
  • 「疲れる」
  • 「変な感じがする」

——これらは、用量や薬剤の調整の手がかりになります。


21. よくある心配事Q&A

Q. 薬を飲めば、成績は上がりますか?

A. 「学習に取り組める状態」は改善が期待できますが、「学力そのもの」は薬だけでは上がりません。 積み残しの補習、学び方の指導、環境調整——これらと組み合わせて、初めて成果につながります。

Q. 集中できるようになったのに、成績が変わりません。

A. 考えられる理由は3つです。積み残しがある、②学習方略を知らない、③併存するLDがある。特に、読み書きの困難が背景にある場合、ADHDの治療では改善しません。評価をおすすめします。

Q. 学校では落ち着いているのに、家で宿題ができません。

A. 薬が切れている時間帯かもしれません。 中枢刺激薬は、朝の服用で夕方には効果が薄れます。宿題を帰宅後すぐに前倒しする、服用時刻を調整する、持続時間の長い薬を検討する——といった対策があります。

Q. 賢くなる薬ですか?

A. 違います。 知的能力そのものは変わりません。もともと持っている力を発揮しやすくするだけです。診断のない方が使用することは、認められていません。

Q. 静かにはなったが、元気がなくなりました。

A. 用量が多すぎる可能性があります。 適切な量であれば、落ち着きつつも表情や反応は自然なままです。必ずご相談ください。 調整で改善します。

Q. 昼食を食べなくなりました。

A. 食欲低下は、よくある副作用です。 そして、昼食が食べられないと午後の集中力が落ちるという悪循環になります。朝食を充実させる、夕方以降に栄養を確保するなどの工夫と、体重の定期的な確認を行います。

Q. 薬を使いたくありません。

A. その選択も尊重します。 まず環境調整と関わり方の工夫から始めます。強くお勧めすることはありません。 使わない場合の支援方法も、一緒に考えます。

Q. いつまで飲み続けるのですか?

A. 一生飲む薬ではありません。 成長、環境の変化、本人のスキルの向上によって、必要でなくなることもあります。定期的に評価しながら判断します。

Q. 学校に伝えるべきですか?

A. 伝えるかどうかは、保護者の方が決めることです。 ただし、効果の判定と調整には、学校からの情報が非常に有用です。伝えることを選ばれた場合、当院から文書を作成できます。

Q. 本人に、どう説明すればよいですか?

A. 「頭が良くなる薬」とは伝えないでください。 「集中しやすくなる薬」「頑張りたいときに、頑張りやすくなる薬」——この枠組みが適切です。


22. 名古屋みなとクリニックでの診療について

名古屋市港区にある**名古屋みなとクリニック(皮膚科・美容皮膚科・内科・児童精神科・精神科)**では、ADHDの診断・治療に対応しています。

当院での対応内容

  • ADHDの診断と重症度の評価
  • 併存する限局性学習症(LD)・発達性協調運動症の評価
  • ASD・不安症・抑うつ状態など、併存状態の評価
  • 睡眠の問題の評価(多動・不注意との鑑別を含む)
  • ADHD治療薬の処方・用量調整当院はADHD適正流通管理システム登録医師が在籍しています)
  • 服用時刻の設計(学校・宿題の時間帯を踏まえて)
  • 副作用のモニタリング(食欲、睡眠、体重)
  • 現実的な治療目標の設定
  • 保護者への心理教育・関わり方の助言
  • 学校への合理的配慮の相談・診断書の作成
  • 学習支援・環境調整に関する具体的な提案
  • 療育機関・放課後等デイサービスとの連携

こんな方はぜひご相談ください

  • 薬で学習が改善するのか、知りたい
  • 宿題に何時間もかかり、毎晩けんかになる
  • 授業中、話を聞いていないと言われる
  • ケアレスミスが多い
  • 薬を飲んでいるが、成績が変わらない
  • 学校では落ち着いているのに、家では宿題ができない
  • 「静かになったが、元気がない」と感じる
  • 薬を使うべきか、迷っている
  • 併存する困難がないか、確認したい
  • 本人にどう説明すればよいか分からない

「『薬を飲めば成績が上がりますか』——これは、最も多くいただくご質問です。正直にお答えすると、上がるとは限りません。薬は、集中して机に向かえる状態をつくります。けれど、その40分で解く問題が分からなければ、成果は出ません。積み残しは埋まらず、勉強のやり方も身につきません。ですから、薬だけで期待しないでいただきたいのです。一方で、多くのご家庭で最初に起きる変化は、成績ではありません。叱られる回数が減ること。宿題でけんかにならなくなること。『またあなたなの』と言わずに済むこと。この変化のほうが、実は大きいのだと私たちは考えています。まずは、何が改善したら効いていると考えるか——そこから一緒に決めていきましょう。」


名古屋みなとクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・児童精神科・精神科

〒455-0068 名古屋市港区土古町4-20 SLR港北

TEL:052-387-8083

HP:https://nagoya-minato-clinic.com/ Instagram:https://www.instagram.com/nagoya.minato.clinic

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【TEL】052-387-8083 【診療時間】10:30~13:30、14:30~18:30 【休診日】月・木・土 【アクセス】あおなみ線「港北駅」徒歩約8分

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